ABPIA会議の報告(韓国済州島会議)

報告者大阪発達総合療育センター

理学療法士 海瀬一典

 

説明: 説明: CIMG9735ABPIA(アジア小児ボバース講習会講師会議)は、脳性まひ8週間基礎講習会の運営やアジアでのボバース概念の普及をはかる目的で、インストラクター、専任講師、候補者63名で組織されています。そして、毎年秋に会議が行われ、3年に1度は韓国で開催されるように計画しています。2008年には、韓国釜山で会議(韓国で行われるのは今回で2回目)がありました。3年後の今年度は、韓国の最南端である済州島で行われました。済州島は、ちょうど福岡辺りの緯度になり、ハワイや日本の沖縄と言われるほどの観光に適した美しい島です。会場は、済州島でも最も古いとされるホテルで町の中心部に位置するグランドホテルで行われました。

 

 

 

 

済州島の景色

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ホテルのウェルカムボード

 

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観光の様子

右から野口さん、辻さん、原さん、小室さん

 

参加者は、日本から20名と韓国から10名で合計30名の集まりで韓国メンバーの手厚い出迎えと接待がありました。済州島の気候は、この会議の最中、雨まじりでしたが、暑いぐらいの陽気でした。韓国へは、東京、大阪、福岡からといくつかのルートからそれぞれが入国し、4日の会議前日から観光するグループと4日夜に入国するグループに分かれました。5日は、終日、ABPIAミーティングを行い夕刻には、懇親会をホテル内で行いました。6日は、それぞれのルートで帰国となりました。

 

会議内容

115日(土曜日)終日グランドホテルの2階会議室でABPIAミーティングが行われました。午前930分からスタートし、昼食をはさみ、午後5時まで行われました。

午前中には、韓国グループの基礎講習会アシスタントメンバーも含めて集まり、教育セッションを行いました。内容は、韓国ボバース病院のShin先生と鈴木先生にご講演いただきました。

 

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教育セッションの様子

(鈴木先生講演の様子)

 

Shin先生は、「Chemical Neurolysis for Distal Control of Spastical of in Cerebral Palsy」で、薬物療法から末梢コントロールを行い、EBMに基づき見解を示されました。日本国内でもボツリヌス菌治療が多くなっていることと同様に韓国でもセラピーと併用し、進められている状況が伺えました。末梢の状態の管理が脳性まひ児の治療に重要であることが強調されていました。鈴木先生は、「Task performance & future prospects of Bobath approach in rehabilltation for cerebral palsy」をご講演いただき、近年のボバース概念の捉え方を明確にしていただきました。日本でも、第1回学術大会での講演など、現在のボバース概念のおかれている状況や課題が明確になると伴に今後の方向性も示される内容でした。両先生の濃厚な内容を確認し実践して、今後のボバース講習会に繋げて行きたいと感じているところです。

午後からは、ビジネスミーティングで、昨年度議事承認と今年度の議案確認から始まり、次年度計画を検討しました。新たな専任講師昇格についてインフォメーション講習会報告等を確認しました。また、次年度は、インフォメーション講習会や多職種講習会の予定と内容を検討しました。加えて、講習会としては、新たにインフォメーション講習会後や基礎講習会後のフォローアップ講習会やエクステンション講習会を企画することを提案されました。講習会受講者からの要望も多くあることから、積極的に開催することを講師間で確認し採決しました。韓国からは、アジア地区で特にインドネシアやフィリピンなどのメンバーへの基礎講習会やインフォメーション講習会を韓国の洪さん中心にすすめる報告がありました。

課題となったことは、前年度から検討しているコアカリキュラムについてと講習会の講義や実習を実施していく上で、PT-OT-ST間の情報を整備し、一貫した指導を提供するために、チューターズモジュールを実施することなどを確認しました。

 

懇親会の様子

夕刻には、懇親会をホテルの同じ会場で行いました。海の幸が多く使われた韓国料理がとてもおいしかったです。また、今流行のマッコリをいただきました。懇親会では、韓国グループからボバース概念の発展に功績を残された紀伊先生にプレゼントが贈られました。韓国での紀伊先生の苦労話しをコメントの中で聞かせていただきました。韓国グループの方々とも話が出来、韓国の中でもボバース概念が定着し、発展していることを実感できました。そして、アジア諸国への啓蒙を更に進めることが必要で、経済的な大きな問題はありますが、日本と韓国が協力しながら、アジアのボバース概念発展に繋げられればと感じました。

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紀伊先生へプレゼント贈呈

 

 

 アジアで日本がおかれている立場を充分理解し、ボバース概念の発展へは、今後更に期待が膨らむことになります。今回の会議では、韓国で小児分野の保険点数が激減したことなど韓国事情を少しも感じさせないパワーがある国と実感し、これからもパートナーシップをより深めて行くことが必要と感じました。

 

おわりに

ボバース概念の治療推進においては、先行してきた日本でありますが、韓国グループのパワーに負けない良い意味での競争心を持つことが必要と考えます。また、これから更に、アジア諸国への貢献につながるように勧めて行くことが必要と感じました。今回の会議で、基礎講習会の内容充実とボバース概念小児部門の発展につながる充実した内容であったと感じます。

説明: 説明: CIMG9820 懇親会の参加者