■- 2003年度IBITA会議に参加して -

平成13年9月  山梨温泉病院 理学療法士 伊藤 克浩

 この度、9月19日からIBITA(国際ボバースインストラクタートレーニング協会)の国際会議がスイスのバーセルにて開催され、古澤・真鍋・林・弓岡・新保・曽根・石田・伊藤・長久・大槻・平木・佐藤・山本(敬称略)の13人の国内成人片麻痺インストラクター及びインストラクター候補生が参加した。会議の内容とその後に参加したドイツでの講習会について紀行文形式にて報告する。

 IBITAの国際会議は毎年インストラクターを有する各国の持ち回りで開催され、インストラクター養成の為の国際ルール確認や検討、各委員会の報告といった内容に加えてインストラクターの研鑽の場として行われる教育セッションで構成される。今年はブラジル、イタリアに続いてスイスのバーセルにて開催された。



 9月17日。早朝8時30分に同行メンバーが成田空港に集合し出国。12時間のフライトを経てスイスチューリッヒ国際空港へ到着した。大型の貸し切りバスでスイスの田園風景を見ながら高速道路でバーセルのIBITA会議の会場となるホテルへ向かった。

 ホテルに到着。建物は市街地にしては自然が豊かで西洋らしい作りのもので、何百年も前の城門があるような街並みにもなじんでいた。到着したらすでにスイスメンバーによる歓迎セレモニーが始まっていたので我々もチェックインを済ませてそのままウェルカムパーティーへ参加。楽隊の催しやスイスの料理、ワインなどで歓迎された。



 9月19日。国際会議が始まった。最初に各委員会の活動報告・シニアインストラクターミーティングの報告・IBITA規約の改訂が行われた。その後、各委員会の新しい委員の選出のための選挙が行われ、発展途上国委員会の委員に4人の立候補者から伊藤が選出された。また、新しい国際ルールの検討が行われ、3日間のアップツーデートコース(神経生理学の最新の知見などを伝える講習会)をIBITAで承認するかどうかが議論され反対多数で否決。次にIBITAのロゴマークとIBITAという言葉の使用を制限する議案は賛成多数で可決された。そして国際会議の最後に伊藤が2004年IBITA会議(東京)のプレゼンテーションをパワーポイントで発表し、来年日本へも多くのメンバーが来て欲しい意向を他国のメンバーに伝えた。

 会議終了後、日本のメンバーは近くのスーパーで買い出しをした後、ホテルの部屋でプレゼンテーションの打ち上げを行い、その後メンバー全員でディナーへ出席。一段落して日本のメンバーは市街地に出かけ、オープンカフェでビールを飲みながら今回の会議で話題となった「発達」という言葉の意味や今後の日本におけるインストラクター養成について話が弾んだ。

 9月20日。教育セッション開催。日本から行ったメンバーは各会場に分かれて参加。我々(大槻・平木・長久・伊藤)はジョンデンモア女史(アメリカ)の「体幹の分節運動」をテーマにしたワークショップに参加した。女史のセミナーは実技も交えて脊柱の分節運動を分析、ハンドリングするもので興味深い内容だった。



 ワークショップ終了後、開催国のスイスメンバーの案内により動物園見学へ出かけた。夜の動物園を貸し切りで見学でき、水族館では裏側の飼育現場や珍しい昆虫類も見学できた。その後夕食を経てダンスパーティーが開催された。最初にスイスメンバーの挨拶がありその後、車椅子ダンスが披露された。またスイスのセラピストによるピエロのショーやメンバーのダンスショーが披露された。



 9月21日。朝からメントールシップの講義が行われ、その後グループに分かれてワークショップが開催されメントールシップについて話し合われたが、日本ではまだメントールシップと言うより師弟関係の様な上下関係が指導者と指導される側に存在し、お互いが高め会うといったメントールシップが行われにくいのでは、といった意見などが交わされた。

 午後にIBITA会議及び教育セッションが全て終了し、我々はシンゲン市でパトリシアシェリー女史(以下パティ)とクリステルアウアー女史(以下クリステル)のHUMAN MOVEMENT COURSEを受講するためドイツへ移動した。夕方ドイツのシンゲン市に到着すると通訳をお願いしたドイツ在住の上山さんと合流し、中華料理店で翌日からの講習会について話をした。



 9月22日。講習会スタート初日は仰臥位での評価と治療について講義と実技体験が行われた。講習会一日目終了後はシンゲン市の象徴でもある山城を散策した後その山の中腹にあるレストランで食事。ドイツとスイスから我々のために講習会の手伝いに来てくれた4人のインストラクター、そしてパティ・クリステルと親交を深めた。

 9月23日。二日目は坐位の評価と治療について講義と実技体験が行われた。二日目終了後はクリステルの牧場で競技馬に対するマニュアルセラピーを見学し、その後クリステル家の地下のパーティールームで彼女のお母さんの手料理(手作りのパスタや肉料理、ワイン)でもてなしを受けた。



 9月24日。講習会三日目は立位の評価と治療を中心に進んだ。講習会終了後は来年当院で開催される事が決まっているパティとクリステルの上級講習会、そしてHUMAN MOVEMENT COURSEの内容についてビジネスミーティングが開催され、オーガナイザーとなる予定の新保・曽根・大槻・伊藤が出席した。会議終了後にはホテルでワークショップの伝達会が行われ日本のメンバーが教育セッションで各会場に分かれて学んできたことを披露しあった。

 9月25日。講習会最終日。パティのデモンストレーションを見学した後メントーリングが行われ、デモから何を得たかを日本からの参加者全員が発表しパティからコメントを受けた。午後からはグループに分かれてケーススタディーが行われた。



 夕方、ジンゲンの市長を表敬訪問した後にはサヨナラパーティーが行われパティやクリステルそしてアシスタントのインストラクター達と別れを惜しんだ。

 9月26日。ボーデン湖の中のマイナウ島で観光。そこは島全体がフラワーパークとなっており、この季節はダリア等が満開の時期で美しい眺めを楽しむことが出来た。その後、バスで空港へ向かい免税店で買い物をした後帰路へついた。

 ブラジル、イタリアに続きIBITA国際会議に出席したが今回は特に自分が委員に就任したこともあり多くの他国のメンバーと親交を深めることが出来た。来年開催される日本での国際会議に多くの参加者があることを願う。