■- 報告 − IBITAフィンランド2008(教育セッション詳細バージョン) ボバース記念病院 鈴木三央




 成人部門の国際ボバースインストラクター会議(IBITA)が9月11〜13日、フィンランドの首都ヘルシンキ郊外のケバラのグスタブランドホテルで開催されました。 これについて報告を致します。 出席メンバーは、紀伊克昌、大橋知行、古澤正道、鈴木三央、渕雅子、長久武史、石田利江、伊藤克浩、 佐藤博志、高村浩司、鈴東信洋、稲村一浩、曽根政富、新保松雄、(敬称略)でした。出発前の東京と大 阪の気温は30℃という暑さでした。
 フライト時間が約10時間(時差は+6時間)でヘルシンキ空港に着きま すと、日中の気温は13℃、夜間は7℃という寒さで、思わず冬に着るジャケットを羽織りました。
 ヘルシンキ の町は石畳が多く、車がガタガタ音をたてて走り、またバスやトラムという路面電車(ヘルシンキの人たちは、 体が大きく、バスもトラムも日本のより1.3倍ぐらい大きい乗り物です)が町の中心部を走り抜けていました。
  建物は、高層ビルがなく昔ながらの石作りの建物を印象づけるような景観でした(スライド1・2・3)。  この会議の参加者は世界各地から110名集まり日本からはドイツの上山氏を加えると14名でした(スライド4)。






 1日目と2日目は教育セッションが主でした(スライド5・6・7・8・9)。  主に教授法や運動学習に関する内 容でした。その中でご紹介したい一つはDeveloping reflective practice (Marja-Leena女史, PT, Finland)で した。
 "Reflective practice is a continuous process from a personal perspective, by considering critical incidents within your life's experiences (Sch?n 1983)."「熟考するという練習は、個人的な観点から、個人 の経験の中で重要であると思われる出来事を考える継続した過程である」。
 この熟考には、他の人、例え ば有益な指導者や専門的な指導者と共に、適切な質問を交えながら、共感して発展して行くことが大切であるという内容でした。
  もう一つは、Motor learning post brain injury: clinical relevance(Libby Awain女史 PT,MA)のカナダのPTに よるものでした。内容は、1.脳卒中の発症後の運動学習、2.可塑性と運動学習、3.運動学習に影響を与え る要因、4.運動学習についての神経生理の4つの項目について、2008年の研究も含めて最新の知見を伝 えるものでした。このようなテーマに対しては、臨床家ではない教授や研究者が、話をしていた内容ですが、臨床家であるPTが話したことに大きな意義があると思いました。


 また2日目の後半は海外のインストラクターとのディスカッションの時間でした。この2日間の講義をもとに、 運動学習について、受講者に伝える場合と患者に伝える場合の両方について、どういう指導が良いかとい うものでした。
 1グループ6人ぐらいで原則的に日本人はバラバラになり日本人1人で海外のインストラクター に対応せねばならず、かなりの英語力が要求され、終了後は皆疲労困憊でした。(まとめた内容の一部をス ライドにしています。スライド10・11) 


 3日目はビジネスミーティングでした。会議の内容は規約改正等の討 議が中心でしたが、この中で重要な提案は、シニアインストラクターのメアリ先生から、インストラクターの教 育システムについてのものでした(スライド12)。
 ファーストアシスタントが始まる前に、スライドの一番上にあ る神経生理も含めた5つのカテゴリーにある内容を学習しておく必要があります。ファーストアシスタントシップ が始まりますと、中ほどの3つのカテゴリーでの更なる向上が望まれます。治療技術、教授法、そしてシニア インストラクターから指導を受けるコースー(日本ではメアリ先生のtutor's moduleなど)です。
 これについては、 世界からワーキンググループが作られ引き続き検討されることになりました。日本からは紀伊先生が選ばれました。
 また発展途上国支援委員会の討議では、古澤先生が中国で3週間の基礎講習会へ財政援助を受けたこと に対して感謝の言葉を述べると、会場から大きな拍手を受けていました。