会長コラム2015年4月

 「第5回日本ボバース研究会学術大会に向けて 」



 第5回の日本ボバース学会の大会テーマは「ボバースアプローチのさらなる発展へ〜多様な中枢神経症状に対して〜」というテーマで基調講演は曾根政富先生(順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター 理学療法士)にご講演頂き、特別講演は「胎生期・新生期の自律性活動から見た神経回路発達」というタイトルで荒田晶子先生(兵庫医科大学 生理学・生体機能部門 准教授)にお話し頂きます。

 さて、今年は介護報酬改定が行われました。介護保険分野では、それまでに十分な機能改善へのアプローチを受けたかどうかに関わらず今や「活動と参加」の名の下に機能障害の問題に取り組むことがタブー視される昨今です。活動と参加はICFの中で取り上げられる前からボバース概念の軸として来たものでとても重要な事ではありますが、本来、我々療法士は運動のプロフェッショナルです。例えば中枢神経疾患を持たれた方が自宅での入浴が困難になるとケアマネージャーの方はすぐに「デイサービスに行って入浴すれば・・」もしくは「入浴サービスを利用すれば・・」とケアプランを組もうとされますが、なぜ入浴が困難なのかを療法士が分析し、例えば「バスボードを用いて非麻痺側への重心移動を行いながら麻痺側の下肢を挙げればお風呂の縁をまたげますよ。週二回の訪問リハで理学療法士を派遣し二週間で解決可能です。」と地域ケア会議やサービス担当者会議で発言できればその問題は解決できます。その為には例えば非麻痺側の代償的な短縮が麻痺側の体幹と股関節の活動を抑制しているという神経科学に基づいたクリニカルリーズニングが出来る療法士を育成していかなければなりません。ボバース研究会の会員はこれらのトレーニングをコースで受けていますので、若い療法士の誘導役として生活期のリハビリテーションにおいても概念を広げていって欲しいと思います。

 また、2025年問題で言われているように高齢者の増加は脳卒中や脳性麻痺を持たれた方々に限らず今後、必須の課題となってきます。地域包括ケアのプランを国では進めていますが、専門職として今回の学会のテーマでもある多様な中枢神経症状、また合併症、そして障害を持たない高齢者に対してもボバースアプローチのさらなる発展による当会会員の活躍が望まれます。

 今回の第5回日本ボバース研究会学術大会では多様な中枢神経症状に関して共に議論し、その内容を深められれば・・と思います。 

 当日の皆様のご参加をお待ちしております。





日本ボバース研究会 会長   伊藤 克浩
 

平成27年4月17日

   
 


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