ご挨拶

第11回日本ボバース研究会学術大会

【大会長挨拶】

謹啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

平素は格別のご配慮を賜り厚く御礼を申し上げます。さてこの度、第11回日本ボバース研究会学術大会につきましては、2022年7月23日(土)にWeb方式にて開催させていただくこととなりました。

日本ボバース研究会は、2010年に一般社団法人を取得し、同年に第1回日本ボバース研究会学術大会を開催いたしました。積み重ねること10回でございます。当研究会は、日本のボバースを象徴する団体として認知されております。そのことからも他団体より参加人数も多いことで知られております。節目の10年を過ぎ、さらに「これからの10年」の始まりでございます。日本におけるボバースの特性を打ち出す、そして未来を感じられる学術大会にしたいと存じます。

日本のボバースの発展は、紀伊克昌氏による功績が何より大きく、50年になります。その間、リハビリテーションそのものも変化を遂げてまいりました。理学療法士及び作業療法士法は1965年、言語聴覚士法は1997年に制定されました。それ以降、世間においてリハビリテーション専門職は3職種であることが当たり前になったことは言うまでもありません。臨床ではその連携が求められてきたことも事実でございます。当研究会におきましても、昭和の時代には作業療法部会というOTの専門性を追求する部門が立ち上げられ、理学療法士と共にその臨床を築いてまいりました。一方、現日本ボバース講習会講師会(JBITA)では、作業療法士そして言語聴覚士は専任講師の立場を設け、それぞれは今も各種講習会等でご活躍されております。東京IBITA(2004年)では、諸外国のインストラクターに向けた日本の作業療法と言語聴覚療法の講演が行われ、世界から絶賛されたことを覚えております。

今回の学術大会では、日本のボバースの特徴でもあるリハビリテーション専門職種によるボバースアプローチの実践、そしてこれからの展望、未来を分かち合いたいと思います。テーマは、「リハビリテーション専門職種によるボバースアプローチの展開」。プログラムは、通常の一般演題に加え、学会長講演とリハビリテーション専門職3職種によるシンポジウム(成人部門・小児部門)を企画いたしております。それぞれの専門性を再確認しさらに発展できるよう個別性を追求した臨床を拝聴できると確信しております。

末筆ではございますが、皆々様のご健康とご発展を祈念いたします。何卒よろしくお願いいたします。

謹白

第11回日本ボバース研究会学術大会
大会長 山本 伸一


【会長挨拶】

会員の皆さまにおかれましては、昨年、一昨年に引き続き、Covid-19感染対策の為に公私ともご苦労されているかと存じます。学術大会が開催される7月には、明るい兆しが見えていることを期待しております。

今回、学術大会長をしていただく、山本伸一氏は、当研究会が、一般社団法人となった際、全国研修会から、学術団体として認知されるためという熱い想いを持って、第1回学術大会をスタートさせました。昨年度開催された第10回日本ボバース研究会学術大会を一つの区切りとして、今回、再び、山本氏のもとで、第11回学術大会が新たなスタートを切っていただくことは、何か、その思いを再現してくれるような期待をしております。また、会員の皆様には、他の方々にも認知されるような学会へと発展していけるように積極的な発表、参加を望んでおります。

今回の大会のテーマとなっております、「ボバース概念におけるリハビリテーション職種の専門性」、つまり、当研究会の会員には、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の方々がおられます。ボバース概念を展開されている皆様にとっては、1人の利用者の方にとって、関わる方が同じ方向性もってかかわることの重要性はご理解いただいているかと思います。しかし、それだけでなく、個々の専門職種の特異性、高度の専門性を発揮した時に、初めて、最大効果を得られるとも考えます。

天才的と言われた創始者のボバース夫妻を引き継いだ、ブライス女史(理学療法士)、マーレ―女史(作業療法士)、クームス女史(言語聴覚士)が、それぞれが高い専門性を持って、協働作業を展開することが、利用者の方への最大のサービスになるとして、ボバース概念を発展させてきました。私自身も3人の方には、ロンドンでの8週間講習会(セカンドコース)、または、短期講習会を通して、その専門性の素晴らしさ、質の高さを学ぶ機会を経て、現在に至っております。

今回の学術大会を通して、そのダイナミックで、有機的な共同作業過程を皆様で体感し、そして、実践に役立てて頂ければと期待しております。

一般社団法人日本ボバース研究会
会長 日浦 伸祐

^