ご挨拶

第10回日本ボバース研究会学術大会に向けて

一般社団法人 日本ボバース研究会 会長
日浦伸祐 (Nobuhiro Hiura)

 会員の皆さまにおかれましては、Covid-19感染対策の為に公私ともご苦労されているかと存じます。当研究会でも対面での活動が前年度から制限され、皆様へのサービスを十分に提供できていないことを心苦しく思っております。  

さて、昨年度から延期されました第10回日本ボバース研究会学術大会が開催されます。本来なら、皆様とお顔を突き合わせながら、学術的に研鑽できる機会でしたが、感染対策の為、オンラインでの開催となります。しかし、ポジティブに考えると、諸事情で来場できない方々もオンラインで参加できる良い機会かなとも捉えています。

昨年の2020年という年は、紀伊克昌氏が、ボバース概念と巡り合い、ロンドン・ボバースセンターで講習会を受講され、日本へ導入されて50年の年月を経たという記念すべき大会として位置づけられます。紀伊克昌氏には、「ボバースコンセプトの50年。これからの50年」というテーマで特別講演をいただき、1970年~1990年代の世界的にもリハビリテーション領域の激動期の中でのボバース概念の発展、及び、その後の現在に至るまでの変遷について、そして、これからの世代への期待と提言をお話しいただけると期待しております。

基調講演では、鈴木三央氏に「ボバースコンセプトの引き継ぐもの」として、講演をいただきます。IBITAの上級講習会インストラクターでもあり、また、日本のRepresentative Person(代表者)として、世界における日本の役割をこれからの世代への期待を込めてのお話をいただけると思います。  

ボバース概念は、K.Bobathのおっしゃられた「Being in your pure mind with your patients who are honorable existence than jewellery」から始まり、我々は、それを実践するためにこれからも臨床というフィールドを通して、お互いに研鑽していきたいと考えます。

第10回日本ボバース研究学術大会大会長挨拶

鈴木三央(六地蔵総合病院)  

2021年の日本ボバース研究学術大会は、1年延期になりましたが、第10回の記念大会になります。また紀伊先生がボバースコンセプトをロンドンボバースセンターから日本に紹介して頂き、50年が経過する記念の年にもなります。  

大変な状況ではありますが、Web研修会の開催に際し、ボバース研究会学術部の先生方、実行委員の先生方、そして多くの先生方のサポートに深く感謝申し上げます。学術大会の中心は演題発表です。ボバースコンセプトの担い手である研究会会員の先生方から、数多くの16演題の発表が予定されています。

2021年度のテーマは「ボバースコンセプトの引き継ぐもの」です。趣旨は、ボバースの治療スキルは神経科学の事実と照らし合わせながら、年々発展しています。一方、ボバースコンセプトの出発点は子供からご高齢の方々の様々の個別的な希望から出発し、その希望に答えるように、最大限努力し、最後には対象者の希望に少しで寄り添えるように援助することです。この考えはボバース夫妻のボバースコンセプトの開始当初から変化しておらず、この対象者への思いやりこそが、さらなるセラピスト自身の発展につながると考えられます。私の基調講演のタイトルはこれらの内容を踏まえ「ボバースコンセプトの引き継ぐもの」~MBPCに見るボバースコンセプトの引き継いできたもの~です。

特別講演には、紀伊先生にお願いしました。タイトルは「ボバースコンセプトの50年。これからの50年」です。2時間という長丁場の講演ですが、過去を振り替えりながら、「次世代にメッセージを託したい」と力強い言葉を頂きました。

Webでの研修会ですが、メリットも数多くあり、普段研修会に出られない先生方にも、都合の良い時間に、視聴することが出来ます。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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