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Time Course of Trunk, Arm, Leg, and Functional Recovery After Ischemic Stroke
訳者:森之宮病院 寺井 淳
Time Course of Trunk, Arm, Leg, and Functional Recovery After Ischemic Stroke
Geert Verheyden, MSc, PhD, Alice Nieuwboer, MSc, PhD, Liesbet De Wit, MSc, PhD,
Vincent Thijs, MD, PhD, Jan Dobbelaere,MD, Hannes Devos, MSc, Deborah Severijns, MSc,
Stefanie Vanbeveren, MSc, and Willy De Weerdt, MSc, PhD
背景:
回復のパターンが、身体の回復の可能性や、リハビリテーションプログラムの現実的なゴールの設定に関して、有用な情報を提供している。
目的:
体幹の回復と上肢・下肢と機能的能力の回復の経過を比較する。
方法:
脳卒中患者は2つの急性期神経科病棟より集められた。
評価は脳卒中発症後1週間目、1ヵ月目、3ヵ月目、6ヵ月目に実施。患者は「Trunk Impairment Scale」「Fugl-meyerの上肢と下肢のテスト」「Barthel Index」の結果で評価した。
結果:
研究対象となった患者は32名。離脱者はいなかった。運動と機能的動作に関するRepeated measures analysisでは、全ての評価で発症後1週間目から1ヵ月目(P value between .0021 and <.0001)、そして発症後1ヵ月目から3ヵ月目(P value ranges from .0008 to <.0001)で最も著しい改善が認められた。どの評価でも発症後3ヵ月目と6ヵ月目の間に大きな差異はみられなかった。統計分析では、体幹、上肢、下肢、機能的回復の時間過程間の有意差を明らかにできなかった。(P = .2565)運動と機能的回復のレベルに関する有意差は、それぞれの評価時点で認められなかった。
結論:
脳卒中後の運動と機能の回復について、それぞれの分析により、回復のための最初の一ヶ月が重要であることを確認した。これまでの通念に反して、体幹の回復の時間的過程は、上肢と下肢、機能的能力の回復と類似している。
キーワード:
脳血管症候 機能の回復 リハビリテーション