インストラクターステップ
ボバース指導者のステップアップ
日本ボバース研究会の会員がボバース指導者になるための基準を示す。 この基準は、アジア小児ボバース講習会講師会議(ABPIA)、日本ボバース講習会講師会議(JBITA)および国際ボバース指導者会議(IBITA)において規定されている。 小児領域と成人領域で基準は異なっている。
講習会の種類(小児)
講習会の種類 | 小児領域 |
---|---|
基礎講習会 | 医師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士を対象にした認定講習会 期間:最低8週間 人数:最大24人 |
上級講習会 | 基礎講習会修了者を対象にした講習会 期間:1週間 |
入門講習会(※1, ※2) | 基礎講習会に直接関係する講習会 期間:1週間以内 |
紹介講習会(※2) 公開講習会(※1, ※2) 家族向け講習会(※1, ※2) |
ボバース概念と治療の紹介や家族に理解を広める講習会 期間:1週間以内 |
多職種講習会(※1, ※2) | 医師,理学療法士,作業療法士以外の専門職種を対象にした講習会 期間:1週間以内 |
講習会の種類(成人)
講習会の種類 | 成人領域 |
---|---|
基礎講習会 | 医師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士を対象にした認定講習会 期間:最低3週間 人数:最大24人 |
上級講習会 | 基礎講習会修了者を対象にした講習会 期間:1週間 |
入門講習会(※1, ※2) 紹介講習会(※2) 公開講習会(※1, ※2) |
基礎講習会に直接関係する講習会 期間:1週間以内 ボバース概念や治療の紹介や理解を広める講習会 期間:1週間以内 |
家族向け講習会(※1, ※2) 多職種講習会(※1, ※2) | 医師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士以外の職種や家族を対象にした講習会 期間:1週間以内 |
- ※1.ABPIAの規定では、紹介講習会・公開講習会・家族向け講習会は一まとめになっています。入門講習会と多職種講習会は、各々規定されている。
- ※2.JBITAの規定では、入門講習会・紹介講習会・公開講習会が一つに、多職種講習会・家族向け講習会が一つに規定されている。
指導者の種類 | 小児領域 | 成人領域 |
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シニアインストラクター | インストラクターの育成と認定の最終責任 上級講習会・基礎講習会など全ての講習会を開催できる |
インストラクターの育成と認定の最終責任 上級講習会・基礎講習会など全ての講習会を開催できる |
上級講習会インストラクター | 規定なし | インストラクターの育成と上級講習会・基礎講習会など全ての講習会を開催できる |
基礎講習会インストラクター | インストラクターの育成と上級講習会以外の全ての講習会を開催できる | インストラクターの育成と上級講習会以外の全ての講習会を開催できる |
インストラクター候補者 (※3) |
基礎講習会と入門講習会のアシスタントを務める 公開講習会,家族向け講習会,多職種講習会の開催 |
基礎講習会のアシスタントを務める 入門講習会、紹介講習会,公開講習会,家族向け講習会,多職種講習会の講師を務めることができるが開催はできない |
専任講師(※4) | 講習会の専門領域を担当する医師,作業療法士,言語聴覚士(基礎講習会修了) 専門領域の講義・実技・実習を担当する |
講習会の専門領域を担当する医師,作業療法士,言語聴覚士(基礎講習会修了) 専門領域の講義・実技・実習を担当する |
専任講師候補者(※3, ※4) | 基礎講習会と入門講習会のアシスタントを務めることができる 公開講習会,家族向け講習会,多職種講習会の講師を務めることができる |
基礎講習会,入門講習会,紹介講習会,公開講習会,家族向け講習会,多職種講習会のアシスタントを務めることができる |
客員講師(※4) | インストラクターが依頼した専門分野の講師 | インストラクターが依頼した専門分野の講師 |
地域職域指導者(※5) | 公開講習会,家族向け講習会,多職種講習会の講師を務めることができる | 規定なし |
地域研修協力員(※6) | 規定なし | 成人領域のボバース概念と治療の普及、発展に貢献することを使命として地域で指導的役割を果たす 日本ボバース研究会研修会,入門講習会,紹介講習会,公開講習会,家族向け講習会,多職種講習会において、主催者の補佐的役割を果たす |
- ※3.ABPIA(小児)とJBITA(成人)で規定が異なる。
- ※4.ABPIA(小児)とJBITA(成人)の規定
- ※5.ABPIA(小児)の規定
- ※6.JBITA(成人)の規定
小児領域指導者ステップアップの条件
1.シニアインストラクター
- 基礎講習会インストラクター
- 基礎講習会の責任インストラクターを長年に亘り経験
- 上級講習会のアシスタントを2回以上経験
- 将来に亘りボバース概念の発展に積極的に参加
- 国際的交流に積極的な取り組み
- シニアインストラクターからの資格推薦
- アジア小児ボバース講習会講師会議(ABPIA)での承認
2.基礎講習会インストラクター
- 基礎講習会の受講
- 基礎講習会終了後、小児分野での最低3年以上の臨床経験
- 上級講習会の受講
- 小児分野での最低1年以上の臨床経験
- 基礎講習会での治療実習のアシスタントの経験
- インストラクターの意思表明
- 講習会開催計画とインストラクター決意表明を文章にてシニアインストラクターに提出、セカンドコースの申し込み
- セカンドコースの全プログラムの受講
- 臨床経験の継続
- インストラクターの指導下で基礎講習会での全プログラムの指導活動の経験
- 2名以上の異なるインストラクターの指導能力評価と推薦状を添えて、シニアインストラクターに申請
- シニアインストラクターが指導する基礎講習会でアシスタントをして、最終評価を受ける
- 申請書、履歴書、指導能力評価表、シニアインストラクターからの資格推薦を添えてアジア小児ボバース講習
- 会講師会議(ABPIA)に提出
- アジア小児ボバース講習会講師会議(ABPIA)での承認
3.インストラクター候補者
インストラクターステップアップの7~9の段階にある者
4.専任講師(作業療法士、言語聴覚士の専任講師)
- 基礎講習会の受講
- 小児分野での最低3年以上の臨床経験
- 上級講習会の受講
- 小児分野での最低1年以上の臨床経験
- 基礎講習会での治療実習のアシスタントの経験
- 専任講師の意思表明
- 専任講師決意表明を文章にてシニアインストラクターに提出、セカンドコースの申し込み
- セカンドコースの全プログラムの受講
- 言語聴覚士の場合は、指定されたプログラムの受講
- 臨床経験の継続
- 専任講師の指導下で基礎講習会での専門分野の指導活動の経験
- 専任講師の指導能力評価と推薦状を添えて、シニアインストラクターに申請
- 申請書、履歴書、指導能力評価表、シニアインストラクターからの資格推薦を添えてアジア小児ボバース講習会講師会議(ABPIA)に提出
- アジア小児ボバース講習会講師会議(ABPIA)での承認
5.専任講師候補者
専任講師ステップアップの7~8の段階にある者
6.地域職域指導者
- 基礎講習会の受講
- 基礎講習会終了後、小児分野での最低3年以上の臨床経験
- 上級講習会の受講
- 小児分野での最低1年以上の臨床経験
- 基礎講習会での治療実習のアシスタントの経験
- 地域職域指導者の意思表明
- 地域職域指導者決意表明を文章にてシニアインストラクターに提出、セカンドコースの申し込み
- セカンドコースの全プログラムの受講
- 申請書、履歴書、指導能力評価表、シニアインストラクターからの資格推薦を添えてアジア小児ボバース講習会講師会議(ABPIA)に提出
- アジア小児ボバース講習会講師会議(ABPIA)での承認
成人領域指導者ステップアップの条件
1.シニアインストラクター
- 上級講習会インストラクター
- 上級講習会インストラクターになってから最低3回の基礎講習会と4回の上級講習会を開催する
- 4回目の基礎講習会と5回目の上級講習会においてシニアインストラクターによる評価を受ける
- 最低5年間で5名のインストラクター候補者の評価をしなければならない
2.上級講習会インストラクター
- 基礎講習会インストラクター
- コースリーダーとして最低5回基礎講習会を開催する
- 最低2回の上級講習会でアシスタントをする
- シニアインストラクターによる指導能力評価を受ける
3.基礎講習会インストラクター
- 基礎講習会の受講
- 基礎講習会終了後、成人分野での最低1年以上の臨床経験
- 1回目の上級講習会の受講
- 成人分野での最低6ヶ月以上の臨床経験
- 2回目の上級講習会の受講
- 成人分野での最低6ヶ月以上の臨床経験
- 基礎講習会でのアシスタントの経験(初回アシスタントシップ)
- インストラクターによる指導能力評価
- 成人分野での最低6ヶ月以上の臨床経験
- 基礎講習会でのアシスタントの経験(2回目アシスタントシップ)
- インストラクターによる指導能力評価
基礎講習会でのアシスタントは最低2人の異なるインストラクターの指導下で行なわれなければならない。
- インストラクターによる指導能力評価
- 成人分野での最低6ヶ月以上の臨床経験
- シニアインストラクターの指導下で基礎講習会のアシスタントの経験(3回目あるいは最終アシスタントシップ)
- シニアインストラクターによる指導能力評価と推薦状
- 指導能力評価表、シニアインストラクターからの資格推薦を添えて国際ボバース指導者会議(IBITA)に提出
- 国際ボバース指導者会議(IBITA)での承認
- 小児領域インストラクターから成人領域インストラクターになるには、
- 直近2年間で1回の小児領域基礎講習会で指導している
- IBITA基礎講習会と上級講習会の受講
- 最低600時間以上の成人領域の臨床経験
- IBITA上級講習会の受講
- 直近の上級講習会インストラクターからの推薦状をシニアインストラクターに提出
- 2人の異なるインストラクター(うち1人はシニアインストラクター)の指導下で基礎講習会のアシスタントの経験
4.インストラクター候補者
インストラクターステップアップの⑧~⑪の段階にある者
5.作業療法専任講師
- 基礎講習会の受講
- 上級講習会の2回以上の受講
- 専任講師の意思表明
- インストラクターと専任講師あるいはインストラクター(作業療法士)の推薦状を添えて日本ボバース講習会講師会議(JBITA)に提出して承認を得る
- 日本ボバース講習会講師会議(JBITA)の入会・登録
- インストラクターと専任講師あるいはインストラクター(作業療法士)の指導下で基礎講習会のアシスタントの経験
- インストラクターと専任講師あるいはインストラクター(作業療法士)から指導能力評価を受ける
- インストラクターと専任講師あるいはインストラクター(作業療法士)の推薦状を添えて、シニアインストラクターに提出する
- 日本ボバース講習会講師会議(JBITA)での承認
6.作業療法専任講師候補者
作業療法専任講師ステップアップの3~6の段階にある者
7.言語聴覚療法専任講師
- 言語聴覚療法専任講師が主催するインフォメーションコースの受講
- 基礎講習会の受講
- 言語聴覚療法領域の上級講習会の受講
- 専任講師の意思表明
- シニアインストラクターに意思表示を提出する
- 日本ボバース講習会講師会議(JBITA)の入会・登録
- 基礎講習会で言語聴覚療法領域の指導の経験
- インストラクターと言語聴覚療法専任講師の推薦状を添えて、日本ボバース講習会講師会議(JBITA)に提出する
- 日本ボバース講習会講師会議(JBITA)での承認
8.言語聴覚療法専任講師候補者
言語聴覚療法専任講師ステップアップの④~⑥の段階にある者
9.地域研修協力員
- 基礎講習会の受講
- 上級講習会の1回以上の受講
- 地域研修協力員の意思表明
- インストラクターあるいは専任講師の推薦を受けて、上級講習会インストラクターあるいはシニアインストラクターに文章にて提出
- 日本ボバース講習会講師会議(JBITA)の入会・登録
- 地域での日本ボバース研究会研修会あるいは入門講習会,紹介講習会,公開講習会,多職種講習会,家族向け講習会において5回以上のアシスタントの経験
- インストラクターあるいは専任講師から指導能力評価を受ける
- 直接3回以上指導したインストラクターあるいは専任講師は、日本ボバース講習会講師会議(JBITA)に報告する
- 日本ボバース講習会講師会議(JBITA)での承認