文献抄録一覧
移動における荷重受容器の重要性:総説
Volker Dietz, Jacques Duysens. : Significance of load redeptor input during locomotion: a review. Gait and Posture, 11 : 102-110, 2000.
ネコの四足移動とヒトの二足立位と歩行における神経制御の基本的側面が下肢伸筋の抗重力機能に関わる。
ネコにおいて中枢性パターン発生器(CPG)は様々な入力源により活性化されることは良く知られている。主なものとして、三つの求心性入力があげられ、そのうち二つが荷重に関して、あと一つが股関節の位置である。
荷重受容器入力の二つのタイプは伸筋群の固有受容器と、足部の機械受容器からの外因性求心入力である。
この総説では主に荷重受容器に関して論じている。
ヒトにおいて身体平衡を維持するための固有反射は重力に反する接触力の存在に依存する。
伸展荷重受容器は下肢に対しての身体質量中心の投射の変化を信号化すると考えられる。ネコにおける観察によると、この求心性入力は恐らくゴルジ腱器官由来であり、姿勢と歩行の制御における受容器の新たに発見された機能を示した。これらの実験の結果から移動中に関してはⅠb抑制が閉じられ、Ⅰb伸展促通経路が開かれることが結論づけられた。
荷重受容器としての伸筋Ⅰb求心系は立脚相において屈筋を抑制する事も示唆された。
ヒトにおける下肢筋活動に関与する荷重受容器の有為な関与の証明は水中での免荷実験結果より導き出され、代償性の下肢筋活動は実際の体重に依存していた。
歩行での立脚相における下肢伸展の活動性の強度は荷重依存性である。パーキンソン病患者では、荷重感受性の低下と下肢伸展活動の低下が観察され、それが運動障害に関与すると示唆された。さらに加齢に伴う荷重感受性の低下も観察された。
私見
直立二足での足部への重力負荷及び、Ⅰb系の重要性から下腿三頭筋の長さの維持が重要であることを示している。