文献抄録一覧
Motor strategies in standing up in children with hemiplegia
片麻痺の子供達の立ち上がりにおける運動戦略
痙性片麻痺では、全体の身体運動の組織化が、姿勢制御の障害によって阻害される。我々は、15人の痙性片麻痺の子供と、14人の障害されていない子供の背臥位からの立ち上がりに起こる分節的な運動パターンを、過去に発達の調査に有効であると認められた、視覚分析スケールを使って研究した。このアプローチは上肢、軸、そして下肢の特異な運動パターンを調査したものである。我々は片麻痺の子供達は、正常な子供の特徴として述べられる運動パターンを用いているが、個人間の多様性が少なく、非対称的なパターンが明らかに優勢である。過去に述べられていない型にはまった下肢の運動パターンが痙性片麻痺をの二人の子供で観察された。これらのパターンの出現は参照とするボディイメージ理論に一致する。このアプローチは体系的に運動や姿勢の障害を持つ患者の運動の限定されたレパートリーを特徴づけることができるので、それゆえ、運動制御のよりよい理解に貢献する。そのアプローチは多様性や対称性を特に参照して、管理の提案を導き、フォローアップツールとして使われるかもしれない。
Introduction
片麻痺の脳性麻痺はたいてい非対称な麻痺と痙性によって特徴づけられる。片麻痺の脳性麻痺の子供達は遅延~正常な範囲で運動の段階を獲得することがしばしばあるが、彼らの運動発達尾パターンは障害されていない子供達のものとはことなっている。一側のweaknessや定まらない骨盤の安定性により、彼らは横座りや非対称的な腹臥位のずり這い?を好む。立ち上がりや歩行のような、全身的な運動課題はより大きな身体的なコストを払って達成され、立位姿勢での体重をより支える非麻痺側下肢によって主に支持される。運動の質と効率性をこれらの子供達は障害されていて、彼らはより選択性が少なく、より粗大な全身の運動を示す。
全身の運動は脳性麻痺の子供達の姿勢の変化に関連した運動制御の特異な戦略を確認するために使われてきた。多分節分析は体系的に背臥位から立ち上がる子供達の運動パターンを述べるために使われてきた。この運動の要素の分析によって、パターンの発達の連続性が、身体活動を3つの部分、下肢、軸、上肢に分けることで述べることが可能となった。質的な運動分析において、トータルな身体アプローチよりもむしろ、この要素の手段によって、発達の割合の中で、異なる体の部分を越えて個人内、個人間のバリエーションを記録することが可能となった。障害されていない子供と成人の一断面の研究から、それぞれの身体の部分の運動の発達的な連続性は臨床的リサーチのために、異なる年代を超えて獲得され、認められてきた。分節的なスコアは別々の変数から成る最後の評価を量化する。このスコアは子供の発達年齢を反映しているかもしれず、より高い年齢の子供ほどよいスコアを獲得している。例えば、より幼い子供は四つ這いに押しあがる前に、背臥位から腹臥位へ寝返ってから立ち上がる。その一方でより高い年齢の子供達は背臥位から上半身を起こし、肩を前に動かして立ち上がり、ときおりより対称的な頭部、肩甲帯、体幹、股関節の屈曲、伸展を示す。この方法を用いた過去の研究では、我々は白質軟化症の痙性両麻痺の子供で、障害されていない子供の特徴として述べられたレパートリーからのパターンを使用するが、個人内、個人間の多様性が著明に少ないもので開始した。今回の研究では我々の狙いは片麻痺の脳性麻痺の子供に使用されるパターンの特徴を述べることだ。
Materials and Methods
方法:
前もって視覚デモを見せずに単純な口頭指示に続いて背臥位から素早く起き上がらせる。それじれ、数秒のインターバルをおきながら、10回連続試行する。ハイスピードカメラが使用され、子供の縦の軸に沿ってマットの中心から2mはなれた位置に接地された。
データ分析:
観察された上肢、軸、下肢の運動は運動パターンのカテゴリーに合わせて割り当てられる。最初に見るのは上肢運動パターンの観察と分類である。2番目は軸部分の運動パターン、そして3つ目が下肢である。観察された運動は分類できない場合には、詳細について述べられた。
上肢運動パターン:
非対称的なパターンの著明な過剰が研究グループで見られた。(平均分節スコア2.1、S.D.0.20)。一方でコントロール群は優先的に対照的なパターンを使用していた。片麻痺の子供は上肢の運動パターンpush reach with asymmetric push(一方の手は地面を押して、もしくは非同時に押す)。このパターンは、コントロール群に使われる戦略の中で特徴となっており、正常児では4歳を超えるとほとんど見られない。研究グループの子供に使われる別のパターンは、push and reach to bilateral pushとpush and reach
followed by pushing on one legを含む。
軸パターン:
上肢のパターンに比べて、軸の部分ではより多様性が観察された。しかしながら、コントロールグループと比較するとまだ著明な差がみられた。55%の試行では片麻痺の子供たちはforward with rotation(回旋を伴って前方へ)パターンを使用していた。95%の試行では回旋を伴うパターンが使われた。障害のない子供を参照にすると、彼らは前後の重心移動を必要とする対照的なパターンの戦略を見せた。
下肢パターン:
二つのグループに使われた戦略では高い著明な差が観察された。二つのパターンは研究群で優先的に使われた。;half-kneel とasymmetric/wide-based squatが75%以上のケースでみられた。他のパターンはPike(腰を折り曲げて、足はまっすぐ伸ばした形)と過去に言い表すことができない二人の患者で見られたパターンを含む。運動障害のない子供たちの場合は、asymmetric/wide-based squatもしくはsymmetric/narrow based squatしか使用されなかった。前もって言い表すことができないパターンは、地面にレバーとして使用されている非麻痺側上肢の顕著な屈曲位で構成される一方で、非麻痺側足を屈曲し、同側の股関節に向かってそれを運ぶ。体幹はそのとき前方へより屈曲し、垂直軸にそれを一直線に並べる。この足の位置は、広い屈曲の姿勢にある子供によってなされ、頭部、頸部は屈曲し眼は地面を見ている。子供は体幹の連合された屈曲、回旋を伴って非麻痺側膝をつき、一方で非麻痺側へ重心移動を行う。麻痺側上肢は同側の屈曲した足におかれているのが観察された。この順序につづいて、両側の股関節屈曲が起こる。頭部と頸部は子供が完全に直立するまでに大鑑の伸展が完全になる間に徐々に伸展する。
Meam segmental score and age(平均分節スコアと年齢)
コントロール群では記録時の年齢と、上肢と下肢の平均分節スコアの間の相互関係が記録されたが、軸のパターンはそうではなかった。研究群では、記録された時の年齢と軸の部分のパターンの平均分節スコアに相互関係が見られたが、下肢もしくは上肢との間には見られなかった。
Hemiplegic Cerebral Palsy and Leukomalacic Spastic Diplegia(片麻痺の脳性麻痺と白質軟化症の痙性両麻痺):
片麻痺と痙性両麻痺の子供では上肢、軸、下肢の平均分節スコアに統計的な著明な差は観察されなかった。しかしながら、戦略の多様性では二つの群の間の違いが3つの身体部位すべてで差が著明であった。:片麻痺の子供ではより多様性が見られた。上肢の非対称なパターンが、85%の試行でpush reach to bilateral pushが使用された両麻痺グループでは勝っていた。
Discussion
この研究には、片麻痺の脳性麻痺の子供が、一般的な運動パターン、歩き始めの幼児や子供に特徴づけられたパターンを含めて、を使って背臥位から立ち上がるが、個人間の多様性が年齢にマッチした障害のない子供たちと比べて少なくなっており、非麻痺側での意図的な支持を用いた非対称的なパターンが優位になっていることを示している。
多関節、したがって全身運動において、運動制御の冗長性の問題が、全体的な屈曲姿勢を採用した片麻痺の子供たちが示しているように、関節をロックしたりかたくすることで部分的に解決される。この戦略は、片麻痺の脳性麻痺の患者の限定されたレパートリーの一部であるが、運動と平衡の制御のために必要な身体位置の運動変換を単純化する。動的な平衡は姿勢連鎖の運動性に関連した姿勢の安定性自体に依存しており、一方で性的な平衡は広い支持基底面によって支持することが確かになる。立ち上がりの際の代償的な姿勢の振る舞いは正常群でも研究群でも観察される。しかしながら、後者のほうが、運動は程度が大きく、過去に移動で観察されたように、結果として広い支持規基底面となる。
アクティブなバイオメカニカルな身体軸の安定に関連している適応的な体の変化の一連を通して、子供たちは背臥位から立ち上がることができる。軸やアライメントをまっすぐにすることが片麻痺の子供たちにとってはより困難である。それにもかかわらず、研究では白質軟化症の子供たちよりも片麻痺の子供たちのほうが非対称的な運動が広まっていない。これは参照ボディイメージ理論によって説明される。この理論では神経システムは必要とされる運動に基づいた筋出力の逆の動的な計算を実行し、これらの力が運動を生みだすことを特定する。すべての求心性の感覚情報は仮の身体の位置的なイメージに統合される。このイメージは参照として、身体の運動感覚の知覚のためだけではなく、アクティブな、姿勢と運動の制御のために役立つ。参照する身体イメージは身体軸の中心におかれ、白質軟化症の患者では軸をまっすぐに制御することが難しくなることから、より、非対称的なパターンを使用する頻度が高くなると説明できる。
両麻痺よりも片麻痺において上肢の対称的なパターンがより出現するという音が軸周囲の運動のコントロールが重要であることを支持している。まっすぐすることと軸のコントロールが協調性や軸の対称的な運動を促進するセラピーの重要性を支持している。